わずかな時間


by rin6174

音の無い夢

替えて然程の時は経ていない畳の上に棺を置く

閉めた障子は青いほど白い
渡り廊下を挟みガラス戸の外の様子が薄く伝わる
手を掛けたらきっと
開けるのを躊躇うほど冷え冷えとした障子の白木

小さな覚悟をしてもさりげなく その手を引くと
ガラスの向こう 踏み跡の無い積雪
廊下に踏み出した足からたちまち冷気に包まれ
脇や首筋まで毛穴が閉じる

身震いして振り返ると畳の上には四角い白い棺
誰も居らず音も無い 雪がその白の中に閉じ込めた様に


そんな夢を見ました
目が覚めて なぜだか あれは子供の頃によく預けられていた
母親の実家だと思いました
そうして 一歩間違うと寂しいと思ってしまうくらいの
静かな 凪いだ気持ちになっていました

棺の中は誰だかわかりません 誰も居ないかもしれません
見ている私も 確かに生きているかどうかわかりません

なぜだか 本当に 一人だと思いました
とうとう 本当に一人だと 思いました
by rin6174 | 2004-12-12 20:57 | 雑文・孤独