わずかな時間


by rin6174

カテゴリ:雑文・個人( 16 )

声について

突然、張りのある金属的な音が耳に飛び込んできた
それが何の音なのか、瞬時にはわからなかったくらい、その場に不釣合いな音だった
読んでいた、戦時中を描いた大岡昇平氏の世界から一気に街の珈琲店の雑音に引き戻されて
思わず振り返ると、「音」の発生源は、若い三人の女性の会話で
その中のひとりの話し声が突出して張りがあり大きく、空気をつんざいているのだった
他のふたりの声は、珈琲店の注文をとる声や低く流れているジャズにうまく溶け込んでいるのに
その女性の声だけが、ほとんど脅迫的に響き渡り、耳の中に強引に入ってくるのだ

「で、どうする?どこ行く? あたし南禅寺見たいー」
席に落ち着く前から、椅子に腰掛けながら始まっていた会話は、
席にしっかりと座ってからはさらにくっきり感に拍車がかかり、ずんずんと耳に入ってくる
「お金どうする?もうここで払っとこうか?」
「えーと、にまんよんせんごひゃくえん でー、じゃ、○○子にこれ払っとけばいい?はい、これ」
・・・ 費用の額までわかってしまうではないか(笑)

京都旅行の相談をしているのだと、おそらく店中の人がわかってしまったであろう
その会話の音のせいで、全く小説に戻れなくなった私は後ろの席を時々振り返り、
金属音の発生源の女性がどんな年恰好なのかを盗み見た
横顔しか見えないその顎の下は、ふんわりとまあるくふくらみ、唇はやや厚め
鼻先はやや丸く、軽く上向きである
髪はストレートのセミロング よく見ると体つき全体もかなりふくよかである
話す様子も、ごく普通に話しをしていて、どう見ても大きく声を出そうとしているようには見えない

地声が、デカイということか?
「大きい」というより「デカイ」という形容の方が合っている
その、プチオペラ歌手のような体格を見て、やや納得した
そのデカイ声の押し付けがましい感じには正直「うるさいっ」と叫びそうになったが
同時に、自分の声が周囲にどう聞こえているのかが、ものすごく気になってしまった
自分の声を録音したものを聴くと、大概の人はとても嫌な声だと言う
骨伝導で聴いている自分の声とはかなり違うものだと嫌というほど思い知り、がっかりしてしまう
・・・素晴らしい美声なんて贅沢言わない
ベースは自分の声でもいいから、耳あたりのいい、よく響く声になりたいのだ
太く、深く、よく響く声に・・・なりたいのだ  ・・・!


中途半端に低くて、街や生活の雑音に紛れてしまう声の私は、
自分で意識して大きめの声を出さないと相手が聞き取りづらい場面があり
よく「何?」と聞き返されてしまう
でも大きな声で話すのも話されるのも好きではないので
もうすぐ友達と一緒に京都旅行に行くであろう地声のデカイ彼女と一緒に、
申し訳ないが話したくはない(笑)
けれど、一緒にゴスペルは歌ってみたい(かもしれない・・・)
by rin6174 | 2008-04-14 21:45 | 雑文・個人 | Comments(10)
11月23日追記

皆さんのコメントで見方や想いを変えて考えることができました
ありがとうございます
的外れな言葉も多いと思いますが、嬉しく考え、お返事させていただきました
また躓いた時、私の独り言にお付き合い下さい
よろしくお願い致します



11月22日深夜追記

・・・こんな独り言みたいな雑文に、コメントをありがとうございます
それぞれの方が仰る言葉が、それぞれに、沁みてきます
それぞれのお言葉に、考えることがあります

私の想いと照らし合わせて、少し時間をかけて考えて
お返事をさせていただきたく思います

・・・本当に、ありがとうございます





このタイトルの歌は、その昔小室等が歌っていました
まだ埃っぽい制服を着てフォークギターを抱えていた頃にこのLPを買い、
この歌の詩を書いたのが谷川俊太郎だということを知りました

・・・・
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
こもれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

そんな歌いだしで始まるこの歌を、
子供だった私も「生きる」ことの意味に近づこうと思いつつ
聴いて、そしてギターを弾いていたような気がします

友人や身内の死に遭遇した時、自分が生きているということは、
「死なないで欲しい」と思う存在があることだろうかと
ふと考えました
自分にとって、「死なないで欲しい」と思えるものが存在し、
自分が何かにとって「死なないで欲しい」と思われる存在であること
それは、今自分が生きていればこその思いなのではないかと

でもあとから考えたら、
そんな相対的なものがなければ「生きる」を定義できないのかと思い
ちょっと落ち込みました

今朝着替えるときに、膝に結構大きなアザを見つけました
今たくさん入ってきている仕事があって、多分その仕事中にやったんだと思いますが、
要はこのアザが生きているということだと妙に納得したりしていました
何かにぶつけても気づかないでせわしく仕事をし、
その対価で収入を得て、
その収入で日々の糧を得て、
そして、ぶつけたところは生きているから反応して青くなる

先週は帰りの遅い日が続いて、気分も冴えない毎日で
皆さんへのレスもまるで亀でした
なので、気がつくと考え事ばかりしていました
他の人たちの、いま生きているということ
それは一体、どういうことなんだろう
そんなことを考えているとまた眠れなくなるので
今日のところは、ウィスキーを熱いお湯で割ったものでも流し込んで眠ってしまうことにして
明日にでもまた、考えてみることにします

引用です
by rin6174 | 2006-11-19 23:04 | 雑文・個人 | Comments(16)

いつかの独り言


ちょっと棚を整理していたら、
昔あれこれ思いつくままに文章を書いていたノートが見つかりまして
整理途中なのについ読んでしまいました(笑)
この文章を書いた時、一体何を思っていたのか
思い出しながら読みました

・・・・まあシンドイと思っていたであろうことは確かですね(笑)

それでも、何かに勇気を得て、書いたんでしょうねえ
自分勝手な文章ではありますが、健気と思ってしまいました(あっはっはっは)
今も子供ですが、もっと子供だったのだと、改めて思わされます

自分の子供さ加減に嫌気がさす毎日ですが
自分とは縁を切るわけにはいかないので
また頑張ってみようと、思わせてくれた
そんないつかの独り言でした




人気のない砂浜にしゃがみ
潮騒が伝える言葉を
ななつ 聞き取ったら
ゆっくり歩き出そう

道のない林の中で
風が揺らす枝葉の音が
旋律になって心に届いたら
共に声で奏でてみよう

そうだ
まだきちんと
冷たい冬の空気を
皮膚に刷り込んではいない
目蓋を開くのも憚られるような
そんな冷たさを
真正面から感じなければ
冬を迎えたとは言えないと思う
年が明けぬうちに
やっておこうという
期限の感覚は
どこから来るのだろう

その感覚すら生まれなかった
追われるばかりの日々は
じきに終わる

何をしようかと
思いを巡らすときは
追われぬ日々の中にある

きっと
もうじきやってくる

会社員でも
家庭人でもない
自分の時間が
精神の充実だけで
生きてゆける
自分の日々が
by rin6174 | 2006-07-23 23:45 | 雑文・個人 | Comments(2)

梅雨明けもまだなのに、凌ぎ難いほどの暑い日が続いています

土、日、月と連休だったはずなのですが、新規の仕事が入り月曜は仕事になりました
ですがまあ、来月には夏期休暇があり、今のところ休める予定です
休めると言えば聞こえはいいけれど、要はそのあたりに仕事がないということで、
その分売り上げがガックリ落ちるということ(涙)・・・うまくいきません

それはそれとして、折角時間ができそうなのでどこかに出かけたいと思い
帰省する日を除いた時間で出かけられるところでいい場所がないか考えているところです

日頃ないものを急にあてがわれると戸惑うもので、中々すんなりと決まりません
ちょうどどこも混雑する時期ですし、早めに決めないと行っても泊まれないかもしれません
そう思うと焦る心

c0006633_1033728.jpg



「一番行きたいと思うところで気持ちよく過ごしたい」
そう自分の思い通りにいくことばかりでないのはわかっているつもりですが
あまりないチャンスなだけに、希望ばかりがてんこ盛りになって収拾がつきません
休みの計画をたてる休みが欲しいぞ~なんてあれこれ考えているうちに平日は寝てしまう始末


欲しいもののひとつである「まとまった時間」
折角手に入りそうなこれを駆使するために実は体力が必要であったということに気づきました
時間と同じくらい欲しいもの 「体力」
こうして、欲しいものは限りなく出てくるのだろうな とつくづく思い知る今日なのでした


こんなことに今頃気づくなんてハズカシイ・・・
by rin6174 | 2006-07-16 10:47 | 雑文・個人 | Comments(28)

残りの時間


c0006633_22132592.jpg


数日前、誕生日でした

ウン十ウン回目の誕生日でした


 
まだ年寄りとまでは言いませんが、残りを意識する年齢にはなったと思います

実際にはもう数年前から、人生の折り返しや残りを意識して暮しています



残りと言うとややネガティヴな感じがしますが

消極的になっているわけでも、諦めたり暗くなったりしているわけでもありません



人生に限りがあるということを、理屈でなく実感できるようになって、

時間が、時というものが、いとおしく、大切になった

そんな、ことなのです



若い頃には、気持ちに引っかかりもしなかったことが心のフィルタに留まるから

立ち止まり、それについて考える

些細なことを、指の隙間から零れ落ちてしまわないように丁寧に掬い上げ

その一つ一つについて、心に問いかけてみる



残りは もちろん「残り」だから減るけれど

けして増えはしない

だからどんなことをして過ごす時も、

「自分の時間を過ごしている」 という思いで、生きていたい



そんな心境の 誕生日5日後です
by rin6174 | 2006-07-09 22:19 | 雑文・個人 | Comments(30)

眠れない夜

妙にはっきりした目覚めだけれど部屋は真っ暗
頭の中に、「ん?」という文字が浮かぶ
目覚ましの代わりに枕元に置いてある携帯を見ると3時23分
ひどくがっかりする
これは、まだ起きたくない時間だ
また目を閉じる  ・・・が意識が落ちて行かない

仕方ないの一度起きてみる
身体を縦にすると、貧血の時のようにふらふらする
頭はさえざえとしているが、身体は眠っているままなのだとわかる
もう一度ベッドに戻り布団を被る が意識は明瞭だ

寝る前に考えていたことが、頭の中に次々と戻ってくる
寝る前に考えていたことは、出来れば思い出したくないことだった
止めようもなく、意識は更にはっきりしていく
こうなるともう駄目だった

数時間前、寝酒を飲みながら読んでいた文庫本をもう一度手にする
何頁か読み進むと、主人公の心象風景は奇しくも
今の私のそれと似ていた
自分と似たたぐいの、主人公の孤独に少し心を治められたので
少量のウィスキーを枕元に置き
もう一度、文庫本に助けを求めてみることにする


c0006633_4395651.jpg

春の命の盛り
これを見たときの
あの寂しくも穏やかな心よもう一度戻っておいで
網膜に映る桜と、傍らの小説よ
何とかあと一時間、私に安らかな眠りを与えてくれないか
by rin6174 | 2006-04-07 04:48 | 雑文・個人 | Comments(10)

続・導かれ集う

若い頃、親しくしていた友人が、数年の間に別々の事故で4人亡くなりました
まだ二十代だった私には大変な出来事でした

友人の御通夜やお葬式に行くことは、認めたくない現実を認めざるを得ない
場所にいくことですから、本当に嫌でした
そして、標準的な寿命とは言えない年齢ですから、元気に脈打つ命を目の前でへし折られたような・・・

長文です この先はお時間あれば・・・
by rin6174 | 2006-04-02 22:05 | 雑文・個人 | Comments(8)

合掌


大切な友人のお母さまが、先日他界されました
心から、ご冥福をお祈り申し上げます



命に限りがあるということは、当たり前のことなのに、
特に自分の命に限りがあるということについては、
甚だしく実感が薄かったというのが正直なところです

親という、自分をこの世に産み出してくれた存在が消えた時
命、特に自分の命に限りがあるということを、実感させてくれました
生きて自分を育ててくれたばかりか、その死の時まで、
まさしく身をもって大事なことを実感させてくれた
自分の母の死の時は、そんなことを考えました

無意識に無限大と感じていた(特に自分の)命の、限りがやや実感できてきてから
命は、そして時間は、ひどくいとおしく輝きはじめました

流されて、投げやりになり勝ちな毎日に気がついたら
何とか軌道修正し、時を大切に過ごしたい

そう思う日々です


大切な友人に願うこと
あなたの限りある時も、大切に生きてください
あなたをこの世に産み出したお母さまは、そう望まれていると、私は思うのです
by rin6174 | 2006-02-10 02:37 | 雑文・個人 | Comments(9)

最後の会社

約11年勤めた会社を、先週の金曜日に辞めました
出向社員として直行直帰で仕事をしてきたのですが、常駐先にはそのままお世話になり、
仕事は続けさせていただけることになっています
が、所属する会社が変わりました

先週から今週末にかけて、実務の合間にその準備・・・移籍しても今まで通り仕事を
続けるための根回しや、会社に返す物を揃えることなどに追われていました
これから使用するPCをセットアップし、返すPCからデータを移動したり
返す分の工具を新たに購入したり、作業着をクリーニングに出したり・・・
中でも大変だった(まだ途中なので、厳密には過去形にはできません)のが携帯です
私の仕事上必需品である携帯を会社に返すため、
新しい番号を連絡しなければならない先がかなりありました
これを機に個人の携帯も新しく購入したため、
アドレス帳のグループ分けなどマメにやっていない私は、
もうこの作業にぐったりしてしまいました
ああ、あと年金や保険など役所の手続きもいくつかありますね・・・
移籍するだけで仕事は変わらないのに、色々やらねばならないことがあるものです

今度所属する会社は、元同僚が代表を務める、昨年立ち上げたばかりの会社です
代表と他二名の、まだ事務所もない会社です
小さな小さな会社ですから、経営も管理も実務も全員が携わらねばなりません
大志があって移籍したわけではなく、他に選択肢はなかったからなのですが、
こうなったからこそできることも沢山あるわけで、頑張っていこうという気持ちになっています
所属が変わりましたから、仕事は変わらずとも改めてご挨拶せねばならぬ所が沢山あります
今週一週間で何とか終わらせるのが目標ですが・・・実務を抜けられる日はないので
やり繰りを検討中です

今まで自分の生活環境によって様々な職種、会社を渡り歩いてきましたが、
もういいトシですし、所属する会社を変わるのは今度の会社が最後と思っています
まだまだ名ばかりですが、初めて「役員」なるものになりました
職業人としてだけでなく、人間として、自分が少しでも思う姿に近づけるように、
そして、この後は仲間を増やさねばなりませんが、
仲間になってくれた人たちによりよい会社を残せるように、努力したい
柄にもなくそんな殊勝なことを考えて、忙しく過ごした一週間なのでした

c0006633_22573747.jpg

by rin6174 | 2006-01-22 22:34 | 雑文・個人 | Comments(39)

新しい写真ネタがないこともありますが、
ちょっと気持ちが「凪」になっているようなのです

-----------------------------------------------------------------------------

父が倒れたことをきっかけにして
今まで実家と遠く離れた場所に住んでいることに甘えて
見つめるのを避けてきたことを
目の前に突きつけられてしまったのでした

脳内出血を起こした父は、そう簡単に退院はできませんが
病院には半年くらいしか入院し続けられません
それで、すでにリハビリが出来る介護施設への入所順番待ちをしています
そこで、一人で暮せるほどに回復すれば、自宅に戻れると言うことになりますが
・・・・そうでなければ、介護老人ホームへの入所も考えなければなりません
回復しなければ、全く半身が麻痺していて、素人の介護は難しいと思われます

車が運転できなければ、
一人で暮すことは難しいと思われる場所に、実家はあります
どうも今の状態では、よほど回復しても車の運転などは無理のようです
実家から片道一時間少々のところに兄がいますが、
自営のためほとんど休みがなく仕事場に寝泊りしている兄に
実家で父と住んでもらうわけにもいきません
今想像できる一番いい状態は、
身の回りのことが少しは出来る状態に回復してくれた父が
兄の近く、もしくは兄と一緒に住むことと思われます
であれば、実家を処分し、治療や介護費用や引越しなどに充当することを
考えねばなりません
このまま、父はもう自分の家に帰る事はできないのだろうか
そう考えると辛くてやりきれません

何にしても、父の回復の状態次第なのですが
母の入院、そして死から荒れ放題の家を片づけることは、しなければなりません
帰省のたび、少しずつ片付けてはいましたが、
家中となると、帰省の間ではとても間に合いません
ですがとりあえず、この年末年始で休める日の中の二日間は、片付けをしに帰省します
もちろん、家中できるわけはないので
まずは、ずっと見ないふりをしてきた、一番やりたくなかった部分を、片づけます
母のものです
中でも他の人が使えない、転用などしないもの、肌着・・・下着や靴下などです
気持ちがどうにもそこへ動かず、手を付けられずにいたものです
でも、そろそろ何とかしなければなりません
大晦日、元日と、それを片づけます
生まれてからこの年になるまで、
大晦日から元日にかけてを一人で過ごした年がなかったことに今気がつきました
それもかなりばっちい場所(実家です・笑)で、
気の進まない片付けをしながら・・・正直、かなり、ぐったりしています

そんなわけで、何となく明るいことも書けず、新しい写真もなく、
さりとて以前撮った写真で何か添える言葉を考えて・・・という気にもならず、
何となく一週間がそのまま過ぎてしまいました
せめて、自分の体調くらいは保たなきゃと思う毎日です

ここまで読んでくださった方、つまらない話で申し訳ありませんでした
しかしこうして暗い気分を吐き出したので
「とりあえず、やるべきことをやろう」、という気分にはなりました

さて、師走もすでに四日目
今年の仕事や懸案事項をきっちりやり遂げて
来年は何事も好転するように、前向きに気持ちを整えてゆきます
by rin6174 | 2005-12-04 22:02 | 雑文・個人 | Comments(26)